ログキョウ

穏やかで自由な人生を歩みたい。そんなアラサー男性のブログ。

子育てとは自分を犠牲にしてやること?漫画『うさぎドロップ』を読んで

うさぎドロップという漫画を読みました。

「子育て」という今まで自分が考えたこともない、というよりは考えようともしていなかった内容をテーマにしたマンガです。
 
 
30歳の独身男性が急に、6歳の女の子を育てることになったというお話なのですが、とても不思議な気持ちになりました。30歳の時に6歳の子、という事は24歳の時に産まれた計算になります。僕の年齢が24歳なので、自分もそういう年齢なのか、という気持ちもありますが、同時に子育てをする親の気持ちと育てられる子の気持ちがリアルに書いてあって不思議な気持ちになりました。

 

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犠牲

物語では「犠牲」という言葉がよく出てきました。
 
主人公のダイキチの母親は二人の子を育てましたが、自分は犠牲になったとハッキリと言っていました。親戚みんなが、りんという女の子を引き取るのが嫌で、それを見かねたダイキチが自分になつくりんを引き取ったのですが、ダイキチの母はりんを引き取るが嫌でとっさにその「犠牲」という言葉が出てしまったようです。
 
 
ダイキチの母は勢いで言っただけかもしれませんが、それを聞いたダイキチは少しヘコみました。しかし母親からすれば仕方の無い事かもしれません。
ダイキチの母は昔は凄く良く働く女性だったらしいです。ダイキチを産んだ後も働き、子供のために旦那よりも早く家に帰ってました。二人目を産んだ後も働こうをしますが、その時に体を壊してしまいます。体が治った後は職場復帰しようとしますが、その時には職場に居場所は無くなってしまっていた。
 
 
仕事がしたかったのに子供のために出来なくなってしまった。
ダイキチの母は仕事という犠牲を払って子供を育てたのです。
 
 
 
ダイキチもりんを引き取った際にある程度の犠牲を払っています。
ダイキチは初めて6歳の女の子を育てますからもうてんやわんやです。りんは保育園に預けようとしますが、保育園が会社からも家からも遠くてダイキチの通勤時間はかなり増ええました。また、残業をするとりんを迎えにいく事が出来なくなるのでダイキチは残業がない課への異動を上司に願い出ます。今まで大きな実績を作って来た課であり部下からも上司からも信頼が厚かったダイキチですがりんのために部署異動をしたのです。これはすごい勇気のいる事。当然お給料も減りましたし。
 
 
ダイキチは言います。
うちの課は俺がいなくてもいずれは落ち着く。なんとかまわして行けるはず。そうじゃないと組織としておかしい。でもりんの事はそうはいかない。
 
僕はこの言葉がすごくカッコいいと思いました。
 
 
 
この時のダイキチにはこれが母の言っていた「犠牲」という奴なのかは分からずにいました。
しかし、りんと一緒に生活をしていく中で。りんが小学校に上がったり、風邪を引いたり、近所の子と遊んだり縄跳びの練習をしたり、パパ友が出来たり。作中ではダイキチはりんの事ばかり考えているし、りんの事なら大体わかるとも言ってました。そんなりんの色んな顔を見て行く中でダイキチは幸せな気持ちになっていきます。
 
その時にダイキチはこう思いました。
「これ…やっぱ犠牲とはちょっと違うような」
 
 
子供が出来ると今までやって来た事、例えば飲みに行ったりとか自分の買い物をしたりデートをしたりとかは出来なくなります。作中ではダイキチもダイキチの母も仕事に影響がありました。
 
 
 
しかし、子育てというのは飲みや買い物やデートや仕事と、同等かそれ以上の喜びがあるではないか。
 
はっきりと作中には述べられはいなかったのですが、僕はそう思いました。
 
もしも子育て飲みや買い物やデートや仕事以上の喜びがあるのなら、子育ても悪くないかなって思いますね。